
最近アメリカでは「frugal」と言う言葉がはやっています。日本語訳は「つつましい」「質素」と言う意味ですが、要するに「節約して無駄を省き、地に足をつけた生き方をしよう」と言うことです。かつては消費主義のリーダー的存在で自宅を抵当に入れてまで借り入れた現金で「ラグジャリー感」に散財してきた国民性は一体どこへ行ってしまったのでしょう?
と言うほど最近のアメリカでは「質素倹約」がブームになっています。その流れに便乗して成功を収めたのがクーポンビジネスです。インターネット動向の調査をする会社の報告によれば、ここ数年職探しサイトに次いでアクセス数を伸ばしているのがクーポン関連サイトだと言うのです。
買い物やレストランで割引を受けられるクーポン券は今までも広く知られていました。スーパーのチラシでも日替わりでお買い得情報が満載されています。日本では家電量販店などはデパートや専門店よりもこのチラシの日替わり数量限定商品の情報で利用客を囲い込んできた歴史があります。堅実な消費者はこれらのクーポンを上手に利用してきたのです。
しかしアメリカでは一般的にクーポンを利用するのは「格好悪い」と思われる風潮がありました。たかだか数10セントの割引目的でわざわざクーポンを切り抜きそれをレジに提示する。レジに並んでいるほかの客からは「貧乏臭い」「けちくさい」あるいは「暇な人」と見られるのが嫌でクーポンを無視してきた消費者のほうが多かったのです。しかし、リーマンショック以降の不況が全ての状況を変えました。今や「貧乏臭い」「けちくさい」は「堅実な人」と言う言葉に置き換えられ日本語の「もったいない」が世界的な広がりを見せているのです。
また、携帯電話やスマートフォンなどのモバイルデバイスで手軽に情報収集してクーポン券はダウンロードして保存すればいいだけというライフスタイルの変化もクーポンサイト業界全体の拡大にも一役買っていると言えるでしょう。第二次世界大戦後、日米安全保障条約の下では「アメリカが風邪を引くと日本は肺炎を起こす」と言われるほどアメリカの影響を強く受ける日本の経済状況ですから、アメリカが不況になり、クーポンサイトが爆発的な広がりを見せたなら、日本にも飛び火してくるのはもしかしたら当たり前のことだったのかもしれません。
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